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ダイヤの原石-6Carat-

第4章 3carat*秘密特訓


「とにかく僕と光黄は付き合ってなんかいません!でも詳しいことは僕からは話せないんだよ…気になるなら光黄に直接聞いてみてくれる?」

さんごは眉尻を下げて、至極困った顔になっていた。
複雑な事情がありそうだ。
付き合ってはいないけれどお互いの部屋を行き来する必要があって、それはメンバーに内緒でコソコソと続けていて…ざくろの脳内ではあらぬ妄想が一人歩きしていた。

「わかった…。今度光黄が1人になったタイミング狙って聞いてみるよ。」

さんごに見送られてざくろは部屋を出た。
その後は光黄がなかなか1人にならなかったため、ざくろは諦めて翌日に改めることにした。
だがその夜…。

「だめだ…気になって寝れない…!」

グループのリーダーとして、メンバー内に不和が生じてはいけない。
秩序を守るためにも早急な解決が必要だが、なかなかうまくいかないので悶々としてしまう。

「水飲んで寝なおそう…」

頭をすっきりさせるために水を飲もうと1階に下りようとしたときだった。
光黄の部屋から灯りが漏れている。
小さく話し声も聞こえてくるようだ。
また2人が密会を…?
ざくろはそっと部屋の前に歩を進めた。

『ねぇ、こんな関係いつまで続けるの?』
『いつまででも。』
『そんなの無理よ。私、もっと堂々と付き合いたい。』
『それができないことはお前が一番分かってるだろ。』

「!?」

聞き耳を立てていたざくろは驚きで思わず声が出そうになった。
自分の手で自分の口を押さえ、声が出ないように気をつけてその場を立ち去ろうとする。
が、踏みどころが悪く、床が軋んでしまった。

『今、音しなかったか?』
『え?聞こえなかったけど?』
『ちょっと見てくる。』

慌てて部屋に戻ろうとするが、ドアを開けるほうが早かった。

「ざくろ?何してんだ?」

忍び足で走ろうとしたので腰が抜けたような変な体制になっているところを光黄に見つかった。
ざくろは苦笑いを浮かべながら振り返った。
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