第4章 3carat*秘密特訓
コンコン
ざくろがドアをノックすると、中から「は~い」と返事が聞こえてすぐに開いた。
「あ、ざくろ君。どうしたの?」
「あの…さ。ちょっと大声では聞けないことなんだけど…中入っていい?」
「え、あ、ちょ、ちょっと待ってね!」
ドアの隙間から首だけ出していたさんごは、慌てて部屋の中を簡単に片付けてざくろを中に入れる準備をした。
ざくろはその隙に中の様子をそっと窺ってみる。
ざくろに背を向けて何か片付けてはいるが、そう散らかってもいないので異性に見られると困るものでも片付けているのだろうか。
慌ててしまっているものの中には何かのテキストらしきものもあり、それは引き出しの奥にしまってしまった。
相当見られたくないものらしい。
その内にドタバタとさんごが戻ってくる。
ざくろは慌ててドアから離れ、何も見ていない風を装う。
「お待たせ!散らかってるけど…どうぞ!」
「おじゃまします。」
2階スペースを6部屋に仕切っているため、外観に対して個人の部屋は意外と狭い。
必要最低限の物しか無い部屋で、ざくろとさんごは並んでベッドに座った。
「それで…聞きたいことって?」
「うん…あの…」
これを聞いて今のグループの関係が壊れてしまったらと思うとなかなか切り出せないざくろ。
さんごはそんなざくろに対して首を捻る。
「ざくろ君…?」
「これ聞くことで俺たちが今の関係でいられなくなるかもしれない。でも俺、このままモヤモヤしたまま6caratは続けていけないから。」
「うん?」
キョトンとするさんごをしっかりと見据え、ざくろは緊張した面持ちで膝に乗せた拳をぎゅっと握った。
「光黄と付き合い始めた?」
「…へ?」
一瞬、時が止まったかのようにその場がシーンと静まり返った。
と、思うとさんごが思いっきり笑い出す。
「ぷっ…あははは!何でそんなこというの~!そんなわけないじゃん!」
「え…?だって!だって!じゃあ最近2人が妙にコソコソしてるのはなんなの!?それに俺、夜中に2人が部屋行き来してるのも見ちゃったんだからね!?」
「あ…あちゃぁ…」
一世一代の決心をしてぶつけた質問があっさりと笑って返され、畳み掛けるように証言をぶつけていくと、さんごはだんだん表情を曇らせていった。
「どう説明するの?」
「え~っと…」