第1章 六つ子の妹
しんと静まり返る部屋にシャリシャリと梨を食べる音だけが響き渡る。
「「「「「「………………………」」」」」」
同じ顔をした6人は無言でずっと食べ続ける。
「ニート達……食べながらでいいからよく聞きなさい」
松代さんは真剣な顔をし、手の甲に手のひらをおく。
眼鏡に光が無く、アニメでよく見る光景だった。
「母さん……再婚するって言ったじゃない?
だけど1つ言ってなかったわ……あなた達に妹ができるってこと…」
言いきった顔で松代さんは皆の顔を見る。
無言が怖いです皆様。。何かおっしゃって……「わー」でもいいから!
「……名前は愛夢ちゃんよ。仲良くしてあげて?あなた達今日からこの子の兄になるんだから」
松代さんはそう言い私の頭を撫でた。
松代さんやめて……恥ずかしいからやめて……
20なんだってば!私は20歳超えてるんです!!
???「ふーん。」
やっと6人のうち誰かが、喋ったと思いきや「ふーん」とだけしか言わなかった。
いや、ふーんって喋ったってことになるのか!?
「中野愛夢です……えと。。今日からお世話になります
よろしくお願いします。。」
怖い怖い怖い!さっきまで梨に夢中だったじゃないですか!
なんで自己紹介した途端、皆一斉にこっち見つめるの!?
どうでも良さそうにしていたのに……
「ほら、愛夢ちゃん挨拶したんだからあなた達もしなさい?」
松代さんフォローありがとうございます……まじであなた様は神です。はい。
しかし……誰1人、口を開こうとはしなかった。
沈黙は続く…… 松代さんは呆れ顔で6人を見ている。
そしてやっと、口を開いたのは…
???「フッ……俺の出番……か。。」
サングラスをかけた青いパーカーのイタイ人だった。