第3章 長男様
「きっ気にしないで!こんな事……どーでもいいでしょ?」
私は手を必死に横に振り、笑顔を見せた。
私は大丈夫。大丈夫だから。
カラ松「どーでもよくないから聞いてるんだ」
暗い顔をするカラ松兄さん。声がさっきよりも、低い。
なぜそんなに怒っているのだろうか……
一松「ヤクザ達が猫を、虐めてたんだって……それで愛夢がその猫を助けたらこんな有様になったんだってさ…」
よく分からないけどと言いながらちゃんと説明してくれる一松兄さん。
カラ松「そうだったのか……小さな猫を守ってあげたんだな」
カラ松兄さんは「偉いぞ」と言いながら私の頭を撫でる。
が……それを見ていたトド松さんが
トド松「へ~猫なんか助けてその有様?構わなかったらこんな事にならなかったのにね~
いっぱい、いろんな人に迷惑かけてるしさ」
と、スマホをちらちら見ながら笑う。
くすくすと笑うが……その声は不協和音にしか聞こえなかった。
十四松「あはは~馬鹿だね~!!」
おそ松「だる……」
チョロ松「はぁ……いるだけでも迷惑なのに……」
3人がぼそぼそとつぶやく。
あれも、これもそれも……不協和音に聞こえる。
音痴な人が奏でる音よりも耳障りだ。
「…………そんなに…私が気に食わないんですか……?」
何か言われていると考えただけで震えが止まらなくなりついに声に出してしまう。
カラ松「ブラザー……」
沈黙。。何か言ってください……
トド松「うんっ……気に食わないよ?……憎くて憎くてさぁ~
なんでこんなにも君は笑って過ごせるんだろ…僕達はいつも通りな生活をしたかったのに……母さんは浮気するし。知らない人と再婚とか妹が出来るとか勝手すぎでしょ!!」
先程までスマホを見ていたのに潤んだ目で私を見つめるトド松さん。
おそ松「ちょっとね……弟達愛夢ちゃんが嫌いみたいでさ~悪いね~」
俺もなんだけどと言いながら鼻の下を擦るおそ松さん。
悪ガキのようにへへっと笑うが目は笑っていなかった。。