第3章 長男様
私は無言でドアを開け、小さく「ただいま……です」とつぶやく。
すると、いきなり誰かに抱きしめられ目を見開いてしまう自分。
えっ……いきなり……と思いながら抱きしめてきたそれを見つめる。
いや、それって言っちゃいけないな……松代さんのことはね。
「愛夢ちゃんっ!良かった……もぅ母さん心配で心配で。。」
と、松代さんは目に涙をためながら必死にぎゅっと抱きしめる。
そのぬくもりを感じていたいと思い自分も抱きしめると、先程よりも強く抱きしめられた。
「ごめんなさい……一言声かければ良かったですね」
へへっと、笑う。
その笑顔を目にした松代さんは私の頬を撫でた。
優しく……。。そして、とても温かかった。
カラ松「愛夢!!今までどこに……ってなんだその傷は」
と、すごくあわてているカラ松兄さんがいた。
そっか……私ヤクザ達に。。
と思いながら「あぁこの傷ね…」なんて微笑むと
カラ松兄さんは私の足や顔、腕をまじまじと見、あざや傷などをひとつひとつ確認した。
カラ松「誰にやられたんだ……」
すごく怖い顔をしている。
「あら……痛そうね。救急箱持ってくるわね」
松代さんは抱きしめていたのを止め、私の傷だらけの体を見るとすぐに、駆け出した。
ゆっくりと近づいてくるカラ松兄さん。
その後にはおそ松さんやチョロ松さん、十四松さん、トド松さんの姿があった。
その4人は呆れたように私の体を見る。
「何してんの」とでも言いたげに……
カラ松「愛夢、ちゃんと詳しく話してくれ。何があったか」
そう、カラ松兄さんは優しく言い、私の顔を見つめる。
心配してるんだ……眉が八の字だ。
そう考えていると
一松「知らないヤクザ達に絡まれてた」
と、小さくつぶやいた。
絡まれた……まぁ少しあってるが正式的には絡んだのは私の方だ。
カラ松「ヤクザ達……?、どこのどいつだ」
カラ松兄さんの顔が怖い。
拳をぎゅっと、強く握りしめていた。