第2章 可笑しい人
「……あははっ……こんなこと1回は言ってみたいな〜って思ってたんだよねー!」
「そっかそっか。でも酒飲みすぎるのはマジでやめた方がいいかんな〜」
「分かってますよ」
と、2人で笑い合う。
えっ夜のテンション?いいえ。今はお昼です。
「あの……ほんっとうにここのおでん美味しいですね!世界1です!」
つゆに漬かっているおでん達を見ながら言うと……
「そう言われるのが嬉しいからやっていけるんだよな……あいつらに逃げられても
美味しい美味しいって言ってくれるからさ~」
「へぇーそうなんですか。。えと……お名前伺ってもいいですか?」
いい感じの雰囲気醸し出しているが、食い逃げは犯罪なのでやめましょう。
「んーおいらはチビ太」
「チビ太さんか……今日はありがとうございました。また食べに来てもいいですか?」
「おう。あっ今日はサービスで無料でいいぜ~」
私が財布を取り出そうとすると、チビ太さんはそんな事を言ってくれた。
嬉しいお言葉だけどそれは……ちょっと……
「ダメですよそんなこと……」
「いいんだよ。今日はおいらも楽しかったからさー」
「えっ……ならお言葉に甘えて……」
チビ太さんはそう言い笑顔で「またな」
と手を振ってくれた。
私も笑顔で手を振る。
ありがとうございますチビ太さん。。
ふーお腹いっぱいになったし帰ろーかな。
と、ふらふら歩いていると……
「…………」
前の方に一松さんが歩いているのが見えた。
一松さんは横をちらちら見ながら歩いていた。
何してるんだろう……
ついて行ってみよーかな……
私は一松さんにバレないように、一定の距離を保って後ろについて行った。
あっ……路地裏に入った!
私は急いで路地裏に入り一松さんを追いかける。
あっ……見失っちゃった
頑張ってついて行ったのにと、とぼとぼ来た道を引き返す。
が……
えっ何して……
そこには猫を片手に持って遊んでいるヤクザ達らしき人がいた。