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君が教えてくれること

第3章 君との出会い。



「良かったら名前教えてくれませんか」

「俺は東雲 亮だよ、君は?」

「瀬戸 ゆいです」

それから沢山のことを話した
お互いの年齢や職業、好きなものの話。

亮さんはオムライスが好きらしい
子供みたいだと笑ったら恥ずかしそうに
顔を赤くして否定していた

「もうこんな時間か、また明日来るよ」

外を見ればすっかり暗くなっていた

「明日も来てくれるんですか?」

「毎日、君が退院するまで来るよ」

「なんでそこまでしてくれるんですか」

「ほっとけないから、かな」

亮さんは私の頭をポンポンと撫で
にっこり笑ってから帰って行った

「ほっとけないから。か」

申し訳ないなと思った
でも亮さんに助けてもらえて良かった

1人になると病院の静かさに驚く
ぼーっとしてると昨日のことが頭に浮かんで
自然と涙が止まらなくなった

本当に怖かった、死ぬと思った
でもこれからどうしていけばいいのか
私には帰る家もなければ
亮さんが出してくれている治療費を
返すことの出来るお金もない

「どうしよう..」

考えるのも嫌になって
布団に潜り込み目をぎゅっと瞑る

早く明日になって欲しかった
亮さんがきてくれるはずだから。
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