第6章 体育祭
「せんせー」
『……』
固唾を飲む
「俺が一位になる」
「絶対やると思った!!」
『アホか』
神奈は頭を抑えてしまう
当然ヤジは激しくなり
「調子のんなよA組みオラァ!」
「何故品位を貶めるようなことをするんだ!!」
「ヘドロヤロー」
「せめて跳ねの良い踏み台になってくれ」
クイっと品の悪い煽るサインを添えて
壇上から降りて来る
『あそこまでやったら逃げ場ないやろ…』
これで一位になれなかったら
周囲からの笑い者になってしまうぞ
そう思ったが
爆豪はそんな頭が悪い奴じゃない
もしかするとそうなるのを分かってて
あんな事を仕出かしたのかも知れない…
『…爆豪……』
彼は私にも宣言した
一位になると
私が思っていた以上に
爆豪がこの体育祭にかける情熱は
尋常なものでは無いんじゃないか…
『っ…私も、優勝する気でやらんと』
爆豪の熱に充てられて
私の野心も動き出す