第6章 体育祭
『緊張してきた…』
大衆を目前に
私の脚は小刻みに震えだす
入場時の歓声は
予想通りA組の時が最高潮で
それに続く
私ら普通科は
まるで引き立て役のモブだった
各方面から苦情の声は絶えず
『やっぱヒーロー科は大変やねえ…』
「殆ど爆豪のせいだろ」
『は、はは……』
うーん…心操君の言う通りだろうな
笑えない
前々から高かったヒーロー科へのヘイトが
あの爆豪の発言で加速したのは明らかだろう
「選手宣誓!!」
鞭を打つ音が壇上から鳴り響く
「おお!今年の1年主審は18禁ヒーローミッドナイトか!」
「校長は?」
「校長は例年3年ステージだよ」
周囲が騒めき立つ中
ミッドナイトの叱責が轟く
「静かにしなさい!!選手代表!!
1−A、爆豪勝己!!」
『…うわあ……』
爆豪なのか…大丈夫かそれ
惨状が脳裏を駆け巡る
「え〜〜かっちゃんなの!?」
「あいつ一応入試一位通過だったからな」
そんな声が彼のクラスから上がっていた
「ヒーロー科の入試な」
と同じクラスの子が文句を垂れる
爆豪はそれらを全く意に介さず
ポケットに手を突っ込みながら登壇する