第6章 体育祭
『っそういうの…誰にでもしてちゃ駄目だと思う!!』
「…あ?」
僅か数センチの距離で
神奈は爆豪に負けじとガンを飛ばす
「誰にでもするわけねえだろアホかてめえは」
『そっ!そういう言い方もどうかと思うぞ爆豪くん!!』
一々期待を抱かせるような言い回しに対しても注意をしてみるが
爆豪は飽きれた様子で
ジトッと神奈を見遣る
「てめえは…一から百まで言わねえと分からねえのかよ」
『は!?』
意味が分からん!!
そう言おうとした言葉は
また
爆豪に塞がれる
『ーッ!!!』
逃げようとすればすぐさま後頭部に厚い手を回され
後ろの壁に貼り付ける様に
行く手を阻む
何度も角度を変え貪るそれは
前回程の乱暴さを兼ね備えてはいなかった
『ーッん…!!』
塞き止めることの出来ない爆豪の口づけは
少し乱雑で
苦しくて
それでも爆豪のその手は
とても優しくて…
薄っすらと目を開けてしまえば
きっと
見てはいけなかったものを
その目に映した
ねえ、爆豪
どうしてそんな
愛しむような表情でキスするの…?