第6章 体育祭
どれ位続いたんだろう
酸欠状態の頭を爆豪に預け
それでもまだ続けようとする爆豪に
定まらない目で『勘弁して』と訴える
が、彼は私が想定していた以上に意地が悪く
追い討ちをかけるように
その行為を再開する
『んんっ…』
苦しい
もはや死ぬんじゃないかとすらも思えた
体の力は抜け
崩れ落ちる私の体躯を
爆豪は容易く片手で支え
そしてやっと、解放してくれた
名残惜しそうに
互いのそれは透明の糸を編む
『っはっはあ…はあ…』
足りなくなった分を補充するように
空気中の酸素を全て吸い尽くす勢いで呼吸を整える神奈
一方、余裕をかます爆豪は
口元の液を拭いながら神奈に問う
「……分かったか?」
何がだ!!
そう声を上げたいが、今息を吸う事を辞められなかった
代わりにキツく、爆豪を睨むが
余裕綽々爆豪様は
「まだ分かんねえのかよ」と頭を掻き文句を垂れながら
また神奈に迫る
『ちょっ!!何でまた…!!!』
荒い呼吸をあげながら
必死に彼の胸板を押し返す
「てめえが理解出来るまで続けんだよ」
なんて、当然のように吐かす
『ちょちょちょ!!理解って何をよ!!!』
既に腰に腕を回され
ガッチリとホールドされた状態で
顔を逸らして対抗する
「……だーから…」
言葉を切り
顔を掴み、グイっと目線を合わせられ
またバスの時のように鼻先をくっつけ
まつ毛まで接触してしまいそうな距離で続きを綴る
「…誰にでも出来るわけねえだろって話だよバァカ」
『っそれ…』
それは
つまり…
『私だからって、こと…?』
その返答はなく
爆豪はただジッと
鋭い目で私を見つめる