第6章 体育祭
ぐっぱ、ぐっぱ、と爆豪は自身の腕を確かめる
「へっ」と、また悪そうな笑みを浮かべているのを見て
多分満足したんだろうと思う
『ねぇ爆豪』
「あ?」
練習場の隅
二人並んで胡坐をかいている中
声を掛ける
『なんで今日、怒ってたの…?』
ずっと聞きたかったことだ
この為に私はついて来たんだよ
「怒ってねえだろ」
『いや怒ってたでしょ明らかに』
「チッ」
顔を背けながら舌打ちをする爆豪
その顔を追いかける様に覗き込む
一瞬嫌そうに眉をひそめたが
すぐに居心地悪そうな顔でまた目線を外す
「…てめえ、俺の誘いは断っといて、あの隈野郎のは受けやがって…凄え腹立つ」
『小学生か』
「んだとてめえ!!!」
どんな大層な理由かと思えば
そんなことか
『あんたが変な事するから会いづらかっただけじゃん』
「なんもしてねえだろ」
『したじゃんキッ……ス』
…ああくそう
下手に恥が生じた
爆豪ニヤニヤし出すし!!
こいつ…
「お前…もしかしてはじめてだったのかよ」
『っ!!!』
そういうこと!聞いちゃいけないんだぞ!!
ムスッとする神奈とは対照に
爆豪はどんどんご機嫌になっていく