第6章 体育祭
「おい」
そう声を掛けられてはじめて
爆豪が近くまで来ていたことに気付く
『っ!……びっくりした…』
スッと一息整え
練習は良いのかと訊ねると
「個性使い過ぎた」
と言いつつ手を前に出してくる
『あー…』
出された手を優しく包むと
少し震えていることに気付く
『ちょっとずつ治すね』
そう言い、確かここに到着したのが15分程前だから…とブツブツと独り言を発する
神奈が一度に復元出来るのは数分前まで
なので数回に分けて復元して行かなければならないのだ
『何回も舐めるけど…大丈夫?』
「ん」
爆豪は気に止める様子もなく即答する
『じゃ、失礼』
そう断り、舌を出す