第6章 体育祭
『…………』
うつ伏せになったまま座り込み
声も出せず
練習場で一人、体育祭に向けて技の試案に暮れる爆豪を部屋の端っこで待つ
私も何か新しい技とか考えた方がいいのかな
なんて
頑張る爆豪を見ていたら
思わずにはいられなかった
先日の戦いで
私の弱みは幾つかわかった
一つ
対人戦で男と相対した時
力で劣る女の私は
他で対策を立てなければいけないということ
ブンブンと拳を振るう爆豪を薄目に
私もアイツみたく喧嘩の才能的なものがあればなぁ、などとおかしな望みをしてみる
そしてもう一つ
あの手の男に言われた、リーチの問題
やっぱり舌で直接触れなければ復元出来ないというのでは、あまりに戦闘に不向きである
もっと別の
個性の汎用性を探る必要がある
そんな風に前回の反省会と次への検討に集中していると
ついさっきまで自主練に精を出していた爆豪が目の前に立っていることに気付きもしなかった