第6章 体育祭
私と心操君は
その人だかりの後ろの方から
教室内の様子を伺おうとする
すると聞き慣れた声が聞こえた
「意味ねぇからどけ、モブ共」
…爆豪だ
「あいつアホだよな」
『なんで誰彼構わずケンカ売るかな…』
呆れていれば
心操君は何か思い立ったように
人だかりを掻き分けて前へ出て行った
「どんなもんかと見に来たが、ずいぶん偉そうだなぁ
ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい?」
「ああ!?てめぇ…!」
あぁ…そうだ
心操君もまた
誰彼構わずケンカを売れる人だった
特に爆豪に対しては…
「こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ。普通科とか他の科って、ヒーロー科落ちたから入ったって奴、けっこういるんだ。知ってた?」
何を言うつもりなんだろう…
「体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ……。」
…そうなんだ
知らなかったな
「敵情視察?少なくとも普通科は
調子のってっと足元ゴッソリ掬っちゃうぞっつー
宣戦布告、しに来たつもり」
わーお
心操君やっちまったな
爆豪がどんな顔しているのか
想像すらしたくないな
「隣のB組のモンだけどよう!!」
今度は強面の人が跳ね出した
「敵と戦ったっつうから、話聞こうと思ってたんだがよう!!エラく調子づいちゃってんなオイ!!!本番で恥ずかしい事んなっぞ!!」
あああ…
爆豪…アンタが余計な事ばっか口にするから…
「待てコラどうしてくれんだ!おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねえか!!」
ついに味方であるA組からも叱責を受ける爆豪
「関係ねえよ……」
「はあーーー!?」
『あぁもう…』
聞いてられなくなり
人ごみの前へ行こうとすると
「上に上がりゃ、関係ねえ」
『っ!』
なんだそれ
爆豪
アンタやっぱり
めちゃくちゃカッコいいなくそ