第5章 襲撃
一瞬で
黒い霧が私の身体を包み込んでいく
『ーッ!』
呑まれてたまるか
「いいぞ黒霧!引くぞ!!」
咄嗟に舌を出し
黒霧の服飾に伸ばす
「っ!」
瞬時に黒い霧は
私の顔から距離を取り
未だ纏わりつく足元の霧にも
屈んで舌を伸ばす
すると黒い霧は
もう神奈の身体から離れて行く
「おい何やってんだよ!!」
死柄木は黒霧に怒鳴り
もっかいだ!と指示するが
「私では近づけません…!」
「…チッ!」
ああもう良いよ
自分でやるよ
やけくその様に吐き捨てた言葉
死柄木が一気に距離を詰めて来る
「残念だけどさ」
舌を出し威嚇するが
両腕をその四指で掴まれる
『ぁっクソ!!』
「君の舌とじゃ、リーチが違うんだよね」
腕は
要らないよね…?
そう
最後の指を
振り下ろす