第1章 はじまり
「もう少し詳しく聞いても良いかい?」
リカバリーガールは私をベッドに座らせながら問うた
『あっはい、もちろん』
私の隣に座った彼は
出て行く様子もなく
むしろ当然のように居座っていたが
先程失礼を働いた事もあり
邪険には扱いづらかった
『復元の個性は、何も人体に限ったことではなくて、どんなものであっても、それは可能です』
「汎用性の高そうなもんだねえ」
『自慢ではありませんが、そう思います』
「けど、大き過ぎる個性には、往々にしてまた大きな反動や欠点があるだろう…?」
『っ…』
その言葉を聞き、私の体は一瞬
恐怖心が支配した
私は手元にあったシーツを掴み
言葉を綴った
『復元、というのは…戻そうと思えば、どこまででも戻せます。…つまり…』
握ったシーツを口元に持ち上げ
意識を集中させて、それを舐めた
その瞬間
シーツはまるでそこには存在しなかったかのように
糸一つ残さず
消え去った