第5章 襲撃
ヒーロー科のクラス中が
歓喜に埋もれるなか
私はただただ
勘違いしないように自分を律していた
さっきから爆豪の言葉はまるで私のことを……
いやいや、天下のヒーロー科様が
私みたいな普通科の一般人に…?
身分不相応な期待ほど
愚かしいことはないよ
爆豪は
周囲が思うよりもっとずっと
ヒーローだから
だから
敵に襲われた私を守らんとしてくれているだけで
それが彼にとっての「普通」だっただけで……
駄目だ
精一杯自分を律しようとしても
体は言うことを聞いてくれない
私はいつの間にか
柄にもない「恋」なんてものを
していたようだ
自覚した途端、私の顔は
これでもかという程
赤く染まっていた