第5章 襲撃
「…チッ」
盛大に舌打ちだけして
爆豪は椅子をぶんどることを諦める
私は立ちながらお弁当を広げようとすると
「お前は座れ」
そう言いながら肩を押された
『…じゃあ、お言葉に甘えて……ありがと』
「……ん」
私が座ったのを確認して、爆豪はテキパキと昼食のパンを袋から出す
神奈はミッドナイトと作ったお弁当を開け、少し満足気な顔をする
「お前、料理出来んだな」
『バカにしてるの?そりゃ一人暮らしだもん。生きられる程度には身に付けたの』
「は?……あー…」
一人暮らしとは、知らない情報だったが
現在はミッドナイトと生活していると昨日聞いていたので、それ以上心配がる事は無かった
そんな爆豪をチラリと盗み見、廊下からずっと抱えていた疑問を投げかける
『…ねぇ、なんでわざわざ普通科の教室まで迎えに来てくれたの…?』
別にココで食べたいなら、言われれば一人で来たのに
「あ"…?だからてめえは危機感ねえんだよ」
『…?』
なぜ危機感の話に…
『無くはないでしょ。現に私、あれ以来人気のないとこなんか通ってないもん』
「んなもん!ワープの個性持った奴には関係ねぇだろが!!人混みに紛れてどうにかされるっつーことも頭に入れとけ!!!」
『ぁ……』
言い方はアレだが、確かにそうだ
人気のある所なら大丈夫だと
たかを括ってる時点で、私の危機管理能力は彼より劣っている
もしかすると爆豪が
教室まで迎えに来てくれたのは
人気のある廊下であっても
私を、目の届く範囲に……
なんて