第5章 襲撃
ミッドナイトと共に登校する姿は
はたから見れば異様な光景だったようで
兎に角視線が痛かった
そんな、棘に刺されながら
なんとか教室まで辿り着き
「神奈」
相変わらず恥ずかし気も無く名前で呼んでくる彼、心操君に
早速声を掛けられた
「ミッドナイトと登校してたよな…ビビった」
『そうだよねー、本当周囲の視線が痛かったよ』
「…なんか、あったのか?」
『あー…ううん、たまたまね?登下校の道が一緒で…』
あぁ…上手く嘘をつき切れない
最終的に苦笑いで誤魔化す私に
納得いってない様子の心操くんだが
それ以上何かを聞いてくることはなかった
すると
ピロン…
例の如くあいつから連絡が来た
「またかあの変態」
『ははは…』
「今度はなんだって?」
えっと…
光った携帯を慣れた手つきで操作し
爆豪からの連絡文を読む
『……え』
内容に放心状態の私に
心操は痺れを切らし、「失敬」と神奈の手から携帯を拝借し、嫌いなあいつの文書に目を落とす
するとそこには
“昼
迎えに行く”
とだけ書かれていた
相変わらず淡白な内容だが
“迎えに行く”っつーのは
このクラスにわざわざ来るってことで
「あいつが人のために動くなんざ…気持ち悪ぃな」
『……うん』
「?」
どこか考えごとをしているような神奈に、今朝の事を思い出し、何かがあったのは確実だと思った
そしてその何かを
爆豪は知っているという事も分かってしまった
あいつには話せて俺には出来ない
あいつは頼れても俺は頼れない
なぁ神奈
お前の中で
あいつはどれくらいの存在になったんだ…?
そして俺は……