第4章 サイレン
その後、私は緊張が解けたせいか気を失っていたようで
目が覚めた時には、いつもの保健室が眼前に広がっていた
目が覚めた私を待っていたのは
師匠と、そしてまだ会合したことのなかった先生方だった
「気分はどうだい?」と、師匠が心配そうな顔をする
『大丈夫です…』
ホントの事言うと、そうでもないのだが
「軽い擦り傷は手当てしておいたよ」
『ありがとうございます…師匠」
私を気遣ってくれる師匠や先生方は
どことなくここに集まっている理由を
口に出し辛そうだった
『あの…あの人たちは………敵、ですよね…?』
私の言葉を皮切に先生方が口を開く
「あの人たち…?」
「侵入者は単独ではなかったのか…」
「…あぁそうだ。君も見たと思うが、物を粉々にする個性を持つ男が、今回学校のシェルターを破壊した張本人と考えられる」
「よく、無事でいてくれた…」
オールマイトが感慨深く呟いた
『運が良かったです…1階に人が居なかったら、私は……』
殺されていた…
この言葉が
音になることはなかった
「どうして、君だけは襲われたんだい?」
校長先生が直球の質問を投げつける
『……個性に、興味を持ったと、言ってました。私、今日のお昼に食堂で個性を使ったのを目撃されていたみたいで……それに関する質問を…されました……』
「……うーん」
『でも私、嘘を吐いて……この個性は1、2分しか戻せない、価値の薄いものだって……そしたら殺されかけました…』
「彼らがどんな個性だったかは、分かるかい…?」
容赦なく質問をされるが
きっと、私しか、あの二人に遭遇していなかったんだろうな