第4章 サイレン
一部の床は瞬く間にチリとなり
私だけを下の階に落とす
「ッ!?」
「あいつ…嘘教えやがったな……ッ!!黒霧!!!」
呼ばれたモヤは消え
神奈は兎に角、人の居る階まで
個性を使ってどんどん降りて行く
途中黒霧と呼ばれるモヤが
私の目の前に姿を現したが
いつも携帯している伸縮性の警棒を
それ目掛けて投げつける
一か八かだったが、それは実体を伴っているのか、飛んでくる警棒を躱す動作をした
あと1つ降りれば…
最後の床に唾をつけ
重力に身体を任せる
「…チッ」
頭上から聞こえた気がしたが
そんな事よりも
上手く着地出来ず、身体を床に打ち付けたが
それでも咄嗟に『助けて!!!』と大声を出せた
視界の端で
男がモヤに包まれて行くのを
見た気がした…