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【ヒロアカ】世も縋ら

第4章 サイレン




『…?先生…?』


初めて見る大人に
この学校の教諭であるだろうと高を括っていた

というか先ほどの光景を見たって…ッ

言葉を理解した途端
私の顔は見る見るうちに真っ赤になる

するとそのもやとはまた別の方向から
もう一人姿を現す


「…君の個性…面白そうだね」



『ーッ!!』





その人はまるでヒーローとは程遠い
手を体の至る所に付け、その指の隙間から覗く表情は

悪そのものだった



私の中でサイレンが鳴り響く




『貴方達、ここの教職員じゃないですよね…?さっきの騒動に紛れて侵入してきたんですか?』

冷静な言葉を並べるが
脚はガクガクと震え
今にも力が抜けてしまいそうだった


「そんなのどうだって良いでしょ?僕は、君の個性の話をしてるんだ。逸らさないでくれるかな…?」

徐々に怒気を孕むその声に涙が滲む

「あーぁ、泣かせるつもりじゃなかったんだけどな。これだからガキは嫌いなんだよ」


苛立ちを表わす様に頭を掻きむしる男は
痺れを切らしたようにこちらに近寄って来る

『っ来ないで!!それ以上近寄ったら容赦なく個性を使います!!!』


「怖がりながら何言ってんだろうね」


出来るものならやってみろ、と言わんばかりに
男が足を止めることはなかった

っどうしようどうしよう…!


この個性を悪用しようと、襲われる経験は今までに何度もあった
でも今回の敵は今までの、半端なチンピラとは訳が違う
感じたことのない恐怖に包まれる



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