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【ヒロアカ】世も縋ら

第4章 サイレン






奇妙な三人組で構成された昼食会は
異様な空気を纏ったまま
特に楽しくもなく
寧ろ疲労を募る、そんなものだった

『よくそんな辛そうなもん平気で食べれるわね…』

「んなもんばっか食ってっから阿保になったんじゃねぇか?」


真顔でケンカを売る心操くんを
そろそろ尊敬すらしてきた

「あ"?そういう辛党への誤った知識を、ひけらかしてるお前を阿保ってんだよ」

あぁもう、二人とも無駄に口が達者だから…


そう言い争いつつも二人はもうすぐ食べ終りを迎えようとしている

そして私は、未だ半分も食べきれていない…
いや、別にわたしが遅い訳じゃなく…


はぁ…疲れる



そう思っていたその時
より疲れるような出来事が起こる



ヴゥゥウ!!!


突然校内に警報が鳴り響いた


-セキュリティ3が突破されました-


その機械音に辺りは急にパニックに陥り
座っていた私ですら
波に押されるように出口へと流されて行った


「っ神奈!!」

心操くんが咄嗟に手を差し出してくれたが
私はそれを掴むことが出来なかった

『きゃっ!』

押し潰されそうになる身体をなんとか堪え
辺りを見渡して見れば
窓の外では連日校門前を塞いでいた報道陣が
校内に侵入してきている様子が目に入った

なるほど

状況は把握できたが
私にはこの人波をどうこうできる様な
そんな個性は携えていなかった…


その時、後ろから強く押され
遂に体制を崩してしまった


倒れる



そう思ったが

また



あの温かい手が
助けてくれた


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