第12章 再起
それからというもの、毎日のように訪れる爆豪には失くした記憶の間の勉強を教えて貰い、放課後の時間に来訪してくれるA組の面々や心操くん達とは他愛のない会話をした。
取り調べは粛々と行われ、私はただの被害者ということで処理される運びとなった。
…──あぁ、そうだ。一つ大きく変わる事がある。
それは………
「あぁ”!?テメェもA組の寮入んのかァ!?」
『うん、そうなの。相澤先生から提案があってね』
「夜、寮内出歩くんじゃねえぞ!分かったなァ!!?」
『ぜ…善処します』
そう、神野の悪夢が過ぎ去り、力を使い尽くしたオールマイトが引退。そして巨悪、オールフォーワンが収監され、世界は大きく変わってしまった。
雄英はこれまでの事件を顧みて、かねてからヒーロー科の全寮制を進めていた。
そこに以前からミッドナイトの元でお世話になっていた神奈をA組の寮へと入寮させることに。なぜA組かというと、それは単純に彼女の交友関係がA組と広く深くあったからだ。彼女も記憶を失くしていたとしても知人の中に入る方がこれ以上の精神的負担を背負わなくて済むだろうという学校側の配慮からだった。
その話を聞き爆豪は、どこか浮き足立つ感情と、そして他のクラスメイトに対する嫉妬めいた感情に苛まれた。