• テキストサイズ

【ヒロアカ】世も縋ら

第10章 白紙




「…そりゃア、おかしいだろが」


不意に爆豪が考え込んだ


『…?』

「お前、アイツ治してたじゃねえか」

『アイツ…?』

「死柄木の野郎」


ーーあぁ、とその名前を聞くだけで複雑な記憶が一瞬にして蘇る



「報道された内容にァ、てめえが銃槍治したっつって……」


言葉が中断される
目の前の女の顔つきが変わったからだ


「……おい」

爆豪の声音の変化に神奈は傾きかけた顔を上げ
取り繕うように口を動かす

『そんな報道があったのね、知らなかったわ。確かに銃創を治せって言われたけど断ったはずよ。』

いくら敵だからといって、人を消してしまうという恐怖は変わりないからだ。

『でも治ってたのなら…多分、私が寝てる間に個性を強制発動させたとかじゃないかな?』

私の余計な感情が介在しなきゃ、誰だって人の怪我なんて、ある程度は簡単に治せるんだから

それに、やったのはきっとオール・フォー・ワンだろう
躊躇なく人を消せて、個性の扱いに長けている…
そういう人物像が当てはまるのは、私の知る中ではあの人だけだ


「なら要は、テメェの気持ち次第って話じゃねえか」

『まあ…本当、そうなんだけど……』

秒、分、日単位とか
細かな「復元」には、勿論相当の練習を要するだろうが
大雑把な復元なら、根性さえあれば出来るはずなんだ


「なら話は簡単だろが」


爆豪は私の腕をぐいと持ち上げ
「戻んぞ、病室」

『…え?』

/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp