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【ヒロアカ】世も縋ら

第10章 白紙




”…嫌よ、誰も……死なせたくなんかない”


その言葉に爆豪さんは目を見開き、その後
「いい顔出来んじゃねえか」と極悪人の表情で口角を上げる

最初っからそうしてろボケ、と小突かれ

優しい手つきで
涙を拭ってくれた


『…ありがと』

肩が少し
軽くなったような気分だ

「言葉なんざ要らねえから他の形で返せや」

目線を合わせてゴシゴシと私の目元を拭う彼は
吊り上がった目をより上げて、また悪い笑みを浮かべる


『出来る範囲で頑張ります』


つられて私も、表情が和らぐ


「なんならお前からキスしてくれりゃ、それでチャラにしてやる」

『ねえ、ホントに私あなたの事好きだった??』


良い人かと思えば変態じゃないか


「知るか。返事する前にテメエが――…」

『…え?』


なに?どういう事…?
途中で止まった言葉の続きは、きっと私が皆にかけた”迷惑”の所為だろう
でも、じゃあ…


『え、ちょっと待ってよ。私達…付き合ってもなければ、両想いとかでもなかったの……?』

思わず神奈は苦笑いを浮かべ、
それじゃあ私は、とんでもなく恥ずかしい勘違いをしていたのではないかと、今までの思考を逆行する

かあ、と熱を持つ顔を見られたくなくてまた俯く

「だあああ!!ややこしいわ!!!」


それはこっちの台詞だ…
じゃあ私達は…貴方は、一体私にとってどんな存在だったの…?


『えっちょ…!ホントに私達ってなんなのよ!?』

「なんでもねえよ!!!」

『じゃあなんでさっきキスしろとか言ったの!!??』

「俺がテメエを好きだからに決まってんだろ分かれやバカが!!」

『!!!!!』




気付いたら恥ずかし過ぎて殴っていた


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