第10章 白紙
『あの日から……何日…経った……?』
震える声で、爆豪さんに問い掛ける
「……三日経ってる」
『三日……』
なんで、もっと早く目を覚まさなかったのよ私
……いや、そうじゃない
たぶん、いつ目覚めた所で…
それどころか、きっと
あの夜にだって……
翔の脚に手を伸ばした
途中まであるそれは、年齢通り若々しく、これからもっと、ずっと、そこにあるべきものだった
生々しい傷跡を見つめ、あの夜の事を思い出す
黒いどぶの中から、私達と同じように転送されてきた翔
体中傷だらけで、片脚を失った姿だった
だけど”血が流れていなかった”――…
そう、何者かの”治療を受けていた”のだ