• テキストサイズ

【ヒロアカ】世も縋ら

第10章 白紙






あの後、看護師さんに止血をしてもらい、

翔が…眠る病室を教えてもらった



「大丈夫か」

『……うん…』


覚束ない足取りで翔の病室へ向かう
爆豪さんが私の肩を支えてくれている

冷たい私の身体と違って
彼の身体はとても暖かかった



「…着いたぞ」

『………』


目線が下に落ちたまま上がらない


『…あ、りがとう』


声が 震えている 気がする


ドアノブに手を伸ばす

重い、重い扉を開けて
中を覗く


カーテン越しに、横たわるシルエットが目に入る


肩を支える大きな手に、力がこもる
まるで、「俺がいる」と励ましてくれているように


震える手で邪魔な布を退け、直接彼を目に映す



『――ッ』



穏やかな寝息を立てて眠る彼がいた


体中の細かい傷は綺麗になっていた


片脚は……無くしたままだった――…


/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp