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【ヒロアカ】世も縋ら

第9章 再会



「ずいぶん遅かったじゃないか」

男はオールマイトを素手ではじき、平然と話しかける

「バーからここまで5キロ余り…僕が脳無を送り優に30秒は経過しての到着……衰えたね、オールマイト」

「貴様こそ、なんだその工業地帯のようなマスクは!?だいぶ無理してるんじゃあないか!?」


粉塵の中立ち上がるオールマイトは、軽く調子を整え、また男に立ち向かう

「5年前と同じ過ちは犯さん、オール・フォー・ワン!爆豪少年、凪山少女を取り返す!そして貴様は今度こそ刑務所にぶち込む!貴様の操る敵連合もろとも!!」

「それは…やる事が多くて大変だな………お互いに」

オール・フォー・ワンと呼ばれた男はオールマイトを迎撃せんと左腕を膨らます
そしてオールマイトに触れず、何軒も先まで弾き飛ばした

「[空気を押し出す]+[筋骨発条化][瞬発力]×4[膂力増強]×3………この組み合わせは楽しいな…増強系をもう少し足すか…」

吹き飛ぶ周囲の瓦礫の中、オール・フォー・ワンは愉悦の声音で佇む

「オールマイトオ!!!」
爆豪はオールマイトの飛ばされた方へ向け名前を叫ぶ

「心配しなくてもあの程度じゃ死なないよ、だから…」
オール・フォー・ワンは手を掲げ、死柄木へ向き直る
「ここは逃げろ弔、その子達を連れて」

オール・フォー・ワンの指先からペキペキと黒が伸び、地面に倒れていた黒霧の胎へと突き刺さる

「黒霧、皆を逃がすんだ」

『ッな…!?』
味方に何を、と眉を顰めるが、次の瞬間
何度か目にした厄介な黒霧の個性が強制的に発動させられていた

途端に広がる黒い靄に向かい、オール・フォー・ワンは手を引っ込める

「さあ行け」

「先生は……」
言葉を続けようとした死柄木だが、瓦礫の奥の、また奥の方から響いた轟音に
慌てて次の行動に移る

音のすぐ後、オールマイトが復活し、またオール・フォー・ワンとの頂上決戦が再開する


死柄木は他の仲間が黒霧のワープホールへ向かうのを確認し、
スッと手を伸ばす

「来い、神奈」

『…ッ』


爆豪の後ろへ隠された神奈は
その言葉に一瞬思慮の表情を浮かべる

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