第9章 再会
男は私たちの後ろに転送されて来た死柄木達を
首を傾げて覗き込む
「また失敗したね、弔」
聞き覚えのある話声
この男だ…
この男こそ”先生”で間違いない
私の記憶を消したであろう張本人……
『気を付けて。たぶんだけどあの男に私、記憶消された』
爆豪の耳元へ小声で告げる
”先生”は死柄木へ手を伸ばし
「めげてはいけないよ、またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した」
優しい言葉とは裏腹に淡々と言葉を繋げる
「この二人もね…君が”大切なコマ”だと考え判断したからだ。いくらでもやり直せ。その為に僕がいるんだよ」
死柄木は顔を上げ
「全ては、君の為にある」
男の存在に、声に
底知れぬ恐怖が身体を駆ける
私も爆豪も動くことを、息をすることを
一瞬忘れた
「……やはり、来てるな…」
小さく零した男の言葉
その直後に豪風が生まれる
『ッ!!!』
衝撃で飛ばされそうになった身体は、爆豪によって地面に押さえつけられ
何が起きたのかと細目を開けば
男と拳を合わせるナンバーワンヒーロー、オールマイトの姿が
そこにはあった