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【ヒロアカ】世も縋ら

第9章 再会




「見たぜ、ニュースになってんだからな
てめえがビルの屋上で、こいつを大事そうに抱えてんのをな」


あの時は腸が煮えくり返る思いだった

「……」

神奈が瞳孔を少し開き
こちらを見つめる
俺の言葉を待っている



「残念だったなクソカス野郎
こいつは俺のなんだよ
記憶でもなんでも消したってなあ
んなもん一ミリも意味ねえんだよ!!」


『…ッ』

「………」


枷を揺らして吠える目の前の乱暴な男に

神奈はさらに目を見開いた



大切な存在だというのは、事前に分かっていたことだった
だが、具体的にどういった関係だったかや

自分が、この男が
互いをどう思っていたかなんてものは教えてもらえなかった


今、目の前ではっきりと
この男は言った
”俺の”――…

意味が理解出来ない程初心ではなかったが
中学時代そんなものに興味なんて一切無かった手前
耳を疑った



ましてや自分が
こんな乱暴で粗野な男となんて……


驚きに声が出なくなった



「………」





無言で俯く死柄木に
ピリピリと肌を刺激される

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