• テキストサイズ

【ヒロアカ】世も縋ら

第8章 開闢行動隊




爆豪を見失った混乱の最中
突然、頭上から声がした


「彼をお探しかな?」


似つかわしくない陽気な声音で話しかけたのは
シルクハットにロングコートの、仮面を付けた男だった

「っ!!」

「彼なら俺のマジックで貰っちゃったよ」
そう、掌にビー玉を転がし煽る
「こいつぁヒーロー側にいるべき人材じゃあねえ
もっと輝ける舞台へ俺たちが連れてくよ」


「っ返せ!!!」
最初に叫んだのは爆豪の幼馴染である緑谷だった

「返せ?」


「おい余計なお喋りはするな。
用が済んだなら帰るぞ。連絡しろ」

荼毘の指摘に男は仕方なしといった表情で笑い、
「了解」とマントを翻し、遠方の味方に連絡をする

「ヒーロー候補生なんかと戦ってたまるか
開闢行動隊!目標回収達成だ!
短い間だったがこれにて幕引き!!
予定通りこの通信後5分以内に‘回収地点’へ向かえ!」

逃げ行く敵達に絶望感が増していく
「させるかよ…ッ!!」
轟が敵を追うように氷を出すが掠らず

満身創痍の緑谷が必死に空中に手を伸ばす
「ま…ッおい!!逃げるなよ…ッ!!!」

轟は振り返り、仲間を見遣る
「なんとか、追うぞ…!今逃がしたら取り返しが…爆豪が……ッ!!」

そう、発した直後


「くそ…死柄木、わざとだろ
こんなとこ飛ばしやがって
こんな――…」


「「「「!!!!!」」」


背後に黒い靄が一気に広がり
中から短髪の青年が現れた




「……やあ、未来ある若者たち」



翔が…
彼らの足止めに送られて来たのだった


/ 291ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp