第8章 開闢行動隊
「てめえにゃ関係ねえだろ!舐めプ野郎」
「関係なくねえだろ、立場はまだお前と同じはずだ」
「ッ!!!」
好戦的な轟の発言に痺れを切らし
掌を爆発させる
「…てめえ……何が言いてえんだ?はっきり言えや」
ゆらりと轟を睨み付け
彼の言葉の裏を問い詰める
「別に、純粋に疑問に思っただけだ」
いちいち突っかかんな、そう付け加え、前を向く
爆豪は身体を震わせながら言葉を喉の奥へと押し込み
代わりにまた、盛大な舌打ちを吐き出す
後ろの男と会話をするだけ苛立ちは募るのは
目に見えて明らかだったからだ
そうして二人とも押し黙り
速足で復路をなぞる
するとまたしても前方の
茂みが揺れ
人が現れる
真っ黒なシャツを揺らす髪の長い女
またか、と思うが声に出さないのは
脅かし側への無意識の気配りからだ
流石に二度目だと二人とも全く動じず
現れた人物へと平然と歩を寄せる
しかし
「………は…?」
先程とは全く異質の衝撃が
爆豪の全身を駆け巡った
髪から覗いた大きな瞳
ここに居るはずもない大切な人
そこにいたのは
神奈――…
探し求めていた人だった