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【ヒロアカ】世も縋ら

第8章 開闢行動隊




薄暗い森の中
二番手轟・爆豪ペアは
先に森へ入った障子・常闇ペアのたまに聞こえる短い悲鳴を少し遠くに感じながら

真面目に先を歩く轟を
距離を取り後ろからついていく


くじ運わりい…


そう苛立ちながらも
時折現れるB組面々に
ビクリと反応して

なんとか目標地点へとたどり着いた

「さっさと札取ってもどんぞ」

くいと顎を動かし催促する


「ああ」


相方の悪態になど露程も動じず
至って真面目に返答をし

札が置かれた台へと手を伸ばす


すると突如
奥の茂みが動き出し
そこから人が飛び出してきた

「あちきだよ――!!」

油断していた手前
二人はまたビクリと身体を反応させる

飛び出してきた女性は先程のメンバーの一人
ラグドール
彼女は見た者の居場所や弱点も全て知ることが出来る個性、「サーチ」を有している


彼女は二人の反応に満足したのか
「すぐ次来るから戻るねー」と茂みへ再び身を投じた



「…行くか」

ラグドールが戻るのを最後まで律義に見送った轟は
もう一人のペアへと声を掛ける

「…チッ」


まるで「わざわざ言われねえでもそうするわ」と言われた様な
そんな不遜な態度だった


「…ずっと気になってたんだが
爆豪、お前

神奈の前でもそうなのか?」


「あ!?」

先をずかずか歩く爆豪は
突如出された神奈の名前に
勢いよく反応してしまった


「好きな女の前でもそうなのかって聞いてんだよ」


「てめえなんでケンカ腰なんだよ?あ?」

「お前の方がよっぽどそうだろ」

食ってかかるような物言いに
爆豪はより腸を煮らせた


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