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【ヒロアカ】世も縋ら

第8章 開闢行動隊




そして夕刻になり
再度バーの扉は開かれる

入ってきたのは勿論
苛立ちを募らせ出て行った男だった


『なかなか外出したがらないくせに…
珍しく散歩でもしてたの?』


カウンターに我が物顔で脚を組み座る女の棘のある物言いに
普段はいちいち反応していた死柄木だが
今日は珍しく無反応で

どこか
笑っているような……

死柄木の差異に気づいたのは黒霧だけではなく
少女もまた、訝し気に眺めていた


「あいつらは?」


神奈の方へスタスタと歩を進めながら黒霧へ問いかける

「えっ」と戸惑いを零した後「一旦帰しました」と告げる

それに対し短く、「そうか」とだけ返し神奈の隣に豪快に腰を降ろす



『…何か、良いことでもあったの?』


頬杖を突きながら死柄木を覗き見る


「あったね、大いにあったよ」


ククと笑いを零しながら
この上なく愉悦に浸る死柄木に
二人は困惑の色を浮かべる


「いかがなさるつもりで…?」

恐る恐る問われた言葉に顔を上げ
瞼で弧を描く



「受容だよ」


不気味に発されたその吐息は神奈の首筋を舐めあげて
背筋を凍らせる




そうして
荼毘、トガ

それに続いて数名の異端児が敵連合へと参入する事となり

敵連合は以前にも増して
組織としてより一層
形を成して行く


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