第8章 開闢行動隊
初めて聞いた
この男の、こんなにもか細い声
聞きたくもなかった
同じことを
考えていた
考えて
いたんだ
「…知るか」
静寂に響く音は
より辛辣さを含み
「俺は」
そして
「あいつが
んなことで立ち止まる奴じゃねえのを
嫌ってほど知ってる」
彼の決意を
揺るぎないものへと変える
「ッ……」
その言葉に
その声音に
轟は、体育祭の時の
神奈の言葉を思い出した
なあ、神奈
もし…もしも爆豪に傷付けられることがあったら……
自分本位に問いた言葉
その後お前は言ったんだ
大丈夫だよって…
爆豪は
私を傷付けたりは
しないものって……
苦しい程に
眩しい笑顔で
なあ、爆豪
俺はお前らが
苦しいくらい
羨ましいよ