第7章 敵連合
これは
まずい状況なんじゃ…
いや、寧ろ私にとっては好機か?
「先生…
止めなくて良いのですか!?」
珍しく黒霧さんが焦りの声を上げる
『!』
〝先生〟が今
この場に居る…?!
そう期待したのも束の間
[これでいい]
聞き知らぬ機械音が
耳に届く
通信で繋がっているだけ
〝先生〟はやはり
ここには居ない
[答えを教えるだけじゃ意味がない
到らぬ点を自身に考えさせる!
成長を促す!
「教育」とは
そういうものだ]
ああ
想像した様な人だ
厄介この上ない
キイと刃擦れの音が鳴り
黒霧の声が聞こえたと思えば
大きな物音が
隣の部屋まで鳴り響く
咄嗟に身体は戸をこじ開けて
死柄木に刃を立て跨る男に突進する
が、意図も簡単に躱されて
その上すれ違いざまに斬りつけられた
『ッ…!』
「神奈…?!」
床から死柄木の焦り声が聞こえた