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【ヒロアカ】世も縋ら

第7章 敵連合




「…………あの、死柄木

これは一体どういう状況で…?」




戸をカラリと開き帰って来た黒霧の視界に入って来たものは

上裸の上司と

今にも下着が見えそうな
シャツのみを辛うじて着た幼気な少女だった



「どういうって…先生に聞いてんだろ
凪山神奈だよ
親睦を深めてんの」


「…はあ、存じておりますが……」

その割に距離を取られているのは
何をしでかしたのか

喉から出かかる疑問符を
必死に飲み込んだ



『誰、あなた』


薄暗い部屋とは似つかわしくのない
凛とした声が耳に入る


分かりづらい自身の視線を
死柄木から少し離れた
床に座る少女に向ける



『その見かけ…どんな個性なの?』



声と同じく凛とした表情の少女は
臆する事なく駆け引きを始める


…これは

どう答えれば良いものか



「…ここを営んでいる、黒霧と申します」



先生の仰られた通りならば
既にこの子は記憶を消され
こちらの味方に属しているはず

だが


目の前の少女の瞳の奥には

信用や信頼とは程遠い


詮索の意図を感じられる



やはりこの子の度胸のほどや
死柄木も一筋縄では落とせなかったのだろう

少しでも情報を得てこの状況を打破しようとでも思っているのだろうか


『へえ、黒霧さんね』



「こいつの個性は名前のまんま

黒い霧を出せんのさ」



「!」


死柄木も少女の意図に勘付いて
咄嗟に偽りの個性を聞かす


『…へえ
だから身体が霧で覆われてるのね』


「…ええ、まあ……」



そう言い、本来はワープゲートの意味を成す黒い霧を
身体の周りで動かしてみせる

『…』


少女の表情は柔らかいものながら

どこか態とらしさを匂わせた


死柄木はそんな状況を
ニタニタと笑みながら「喉乾いた」と催促する

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