第7章 敵連合
ニヒルと不気味に口角を上げ
腹を撫でる手を持ち上げる
『ッ!?』
手に余るその膨らみをやわやわと触り感触を確かめる
「やらけ…」
感動してつい零すと
神奈は言葉も見つける余裕すらなく
『ッッッ!!?』とただ混乱した様子を浮かべるのみ
「その反応
もしかして初めてか?
あー、いや、記憶無えのか忘れてた」
死柄木の無神経な言葉に真っ赤な顔で睨みつけ、逃れようと激しく抵抗するが
所詮男女の力差は
気持ちでどうこう出来る問題でもなかった
が、そんな事関係なしにとにかく暴れ回ると
死柄木はため息ひとつを吐き捨てて
胸からスッと手を離す
「暴れんなって、悪かったよ」
ぽんぽんと頭を撫でてやれば
ホッとした表情を浮かべ
大人しくなる
動物みてえだ
「安心しろ
痛くしねえから」
『……』
キョトンとした目を無視し
今度は手を脚に滑らせる
途端に状況を理解したのか
ボンと身体が熱を発する
上の服を脱ぎ捨てて
密着しようと身体を寄せれば
突如腹に衝撃が走る
「ッ」
視線を下ろしたその先には
白い小さな握り拳が
似合わず血管を立て唸っていた
『つ…次触ったら…去勢してやる…!』
真っ赤な顔でとんでもないこと吐かすな
「去勢したら気持ち良くさせてやれねえじゃん」
『いらんわ変態ッ!!』
もう一発拳が飛んで来たが
今度はしれっとそれを避け
床に捨てた俺の服を神奈がそそくさと奪い離れるのを
じっと見守っていた
「…俺の服取って、どうすんのさ」
やっぱ誘われてんのかな
そんな淡い期待は
次の言葉で泡と化す
『どうって…
これ着るの。私が。
変態に服は必要ないでしょ』
「どんな理論だよ」
性急に服を着だし
ふうと一息つく神奈に
少し冷静さを取り戻す