第7章 敵連合
『側にいろって…あんた、治癒とかが必要だったんじゃないの?』
「あ?
…ああ、そうだった
銃槍治してもらうつもりだったわ」
思い出した様に撃たれたところが疼き始める
『銃槍…?
何したのよあんた』
覚えてねえよなそりゃ
その記憶だって消したんだからさ
「…大した事じゃない
ただオールマイト殺そうとしただけだ」
『只事じゃないじゃん』
馬鹿じゃないの
無謀よ、と好き勝手罵るが
お前にはこれから
その目的の為に働いてもらうんだぜ?
まだ敵になった事を自覚出来てない神奈ちゃんには
近い内に教え込んでやるさ
お前はもう
ヒーローじゃないと
まあ取り敢えず
これでこっちにも回復系が参入したわけだ
作戦の幅は大きく広がる
しかもそれだけじゃない
こいつの個性は如何様にも使える
「復元」と
一言の括りで纏めているのがおかしい位に
『……また何か、企んでるの…?』
横から怪訝な顔して覗き込み聞いてくる
「お前をどう料理するかをな」
部屋を出、階段を上りながら
奥を見つめて嗤ってやると
『…ロクでもない』と吐き捨てる