第7章 敵連合
「いつまでそうしてるの」
また
邪魔が入った
こいつのスタンスは
時折入れ替わる
…そういう所
徹底しないと気付かれちまうぜ?
「目の前でそういうの…こっちが困る」
はいはい
そういう建前な
こいつ
いつもポーカーフェイス気取りやがって
けど分かるぜ?お前の眼の奥に潜んでるもんが
それは俺も持ってるもんだからだ
嫉妬、愛憎…
隠してるつもりだろうが俺には分かる
だからお前は
まだ信用出来ない
いつかその化けの皮剥いで
こいつの前に晒してやるさ
「はいはい、分かったよ鬱陶しいなあ」
そう、嫌々ながらも両手を挙げる
すると神奈は一歩引いて
俺の腹辺りを険しく見つめる
「神奈」
『!』
そう呼べばハッとした様に顔を上げ
「お前は今から、常に俺の側に居てもらうから」
『え…』
おいおい
明から様に嫌そうな声出すなよ
「お前がお淑やかな慎ましい女なら、あのぶっ壊れた部屋で一人の時間でも作ってやるが
一瞬でも目を離したらすぐにまた
こういう事仕出かしそうだからな」
こういう、逃走とか通報とかをよ…
死柄木は神奈が作った長いトンネルを指差す
本当まあ
図太い女
どんな教育受けたら
こんな奴が出来上がんだよ
「それなら俺の側でも良い筈だろ
そしたらこいつも大人しくしてるよ」
「やだね
こんな抱き心地いいマクラ
やるわけねーだろ」
きっぱり言えば
それ以上翔が口を挟む事は無かった
『…マクラて』
すると今度は神奈が口を挟む
「はあ…お前はもう少し可愛げある奴にしてやるよ」
睨む神奈を四指で撫で
「行くぞ」と腰を引く