第7章 敵連合
『……わからない』
呟くように零された言葉は
期待してたものとは異なった
わからない?
だろうよ
だってまだ種明かしはしてないんだから
『あんたが私を必要として攫ったのは分かる
けど、それは翔がここに居る理由付けにはなってない』
「あんたじゃない、死柄木だ
いや、弔って呼んでもいい」
まだそんな事に固執してたのかよ
「それは直接、本人から聞けよ」
冷たく放ち、引き離す
「俺に答え全部求められても面倒くせえよ」
顎で指差すように翔を指定する
「……」
「…はあ?お前まだ黙ってるつもりかよ
言ってやれよ、お前のせいだってさ」
『……え』
あーもー
またわざとらしい
あんたには心当たりが在る筈だろう?
『…私が、治せなかったから……?』
「…」
見てらんないね
殺してやろうか
「…そうだ」
『ッ』
ようやく開いた彼の口から出たものは
残酷なものだった
「お前が治してくれなかったから俺は、今日までずっと半身を持て余してる」
『…』
罪悪感に支配される神奈の顔を
俺は少し遠くから見物していた
「俺が敵になったのは、復讐のつもり」
ああ、もっと言ってやれ
もっともっと
神奈の顔を歪ませろ