第7章 敵連合
敵だ…
恐怖を理解した瞬間、前へ掘るのを辞め
上を目指す
急げ…ッ!
早く!速く!!
後ろを振り向く余裕も無く
下着姿で身体が汚れる事など構ってられなく
迫り来る足音の恐怖を動力に
ひたすら掘り進み、ひたすら逃げる
「おいたしちゃ駄目だろ神奈ちゃん?」
『やっ!!』
いつの間に距離を詰められていたのか
黒い霧の様なものが目に入った気がするが
そんな事よりも
男の細腕が腰に回され動きを止められた
ついに視界に入ったその男は
顔に手を貼り付けた
不気味な白髪の男だった
『お願い…ッ放して』
瞳に涙を溜め懇願するが
男は依然、気味の悪い笑みを浮かべている
「…こんな格好で外に出るつもりか?俺は別に構わないけどさ、きっと後悔するよ?
ネットの海にその痴態が死んでも漂い続けるどころじゃ無い」
『じゃあ貴方の後ろの服着せてくれない…?』
引き攣る笑みで男を見つめる
「そんな事したら神奈ちゃんその隙にまた逃げようとすんだろ…?やだね
それにこの格好の方があんたをさ
好き勝手出来るし」
そう言い男は背に四指を這わす
「動くなよ」
スッと片手を土壁につける
すると忽ち土は崩れ、懸命に掘った先の穴は塞がった
『な…ッ』
「こうなりたくなかったら、大人しくしてろ」
『ッ!!』
指の隙間から覗いたその目は
鋭く私を射抜いて伏せた