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【ヒロアカ】世も縋ら

第7章 敵連合





一瞬クラリと意識が揺れたが


息を止めると同時に気を引き締める



ここに居るのはまずい


兎に角早く脱出しないと…



手枷を素早く粒子に復元し

周りを見渡す


壁は煉瓦を積んだもので
部屋の広さは六畳程の小部屋

扉は一つで木で出来ている

光源は古めかしい西洋ランプで
家具は先程まで寝ていたベッドとその横に箱型の小さな机のみ



ヒタリと壁に両手をついて耳を張り付ける


音が微かに聞こえる



話し声か…?



素早く離れ、反対の壁へ
また同じ様に張り付く



…何も聞こえない?


いや、微かだけど上から車の音がした





ここだ







冷たい壁に舌を近づけ
煉瓦が崩れないよう個性の適用範囲を集中して見定める



人一人通れる程の穴を縦にあけ、その奥に広がった土層に
今、地下にいる事に気付く



だから上から車の音がしたのか




この建物がどれ位の大きさかは分からない

から

出来るだけ遠ざかってから地上に出た方が良いよね



冷静に冷静にと
脳をフル回転させながら
次、次と脱出の算段を立ててはいくが

身体は正直で

敵に着せられたであろう簡素な服は
冷や汗でべっとりと貼り付いている



一先ず
ただ真っ直ぐに、出来るだけ小さく、それでいて走れる程の高さをもって

より奥へ

そう意識し、ざらつく土を舐め進める



部屋から大体100メートルは掘ってから…

もしこの建物内に出てしまったら終わりだから
念の為にそれぐらいは掘り進んでから、今度は斜め上に掘って行き、地上に出よう


じゃあ
出たら?


地上に敵の見方が見張りでもしてたら?


というかGPSとか身体についてない?


埋め込まれてる可能性は?



咄嗟に服を全て脱ぎ、確認をする



…はあ

良かった


GPSは無さそう

埋められても…



下着を着け直し、薄い布ワンピースに袖を通そうとした



その時





「大胆だね、神奈ちゃん」





『っ!!』




背後からした這いずるような声に

身震いする


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