第7章 敵連合

「だが俺は
神奈が黙って攫われるような
ヤワな女じゃねえと思ってる

それはお前も同じだろ？」


「っ……」



確かにあいつは
そこらの女とは訳が違って

俺のキスを拒む為に、腹も殴るし急所も蹴ろうとする女だ

ヤワな訳がねえ


「ならあいつは…」




「恐らく、攫った相手が幼馴染だったからじゃねえか…？」



「！！」



…翔

そいつが…？

確かに相手がそいつなら
神奈はついて行くだろう


例え相手がもう




敵に染まっていると知ってても…






「……ならあいつは…」


「ああ、敵連合に居る可能性が高い」




その言葉を聞いて俺は

少し安心した




「…それならあいつは

生きてる」



「そうだ
前に死柄木があいつを攫おうとした事から
それは推測出来る」



まあ
だからと言って
完全に安全とは言えないが


「少なくともあいつが
生きてんなら……」



それだけでも十分な…


そうしてやっと爆豪は、安心した様な顔を見せる



「ここまで言って悪いが、あくまで可能性の一つの話だ。

他の可能性としては、身近な存在の姿を借りる個性の奴とか
声を出せなくさせる個性とか
あとは黒霧と呼ばれるあいつの仕業とか…まあそれならさっきの結論に行き着くわけだが」



「一番可能性が高いもんが
さっきの結論っつう事だろ」


「ああ」



クソ…

こんな奴にまで励まされんなんて
情けなさ過ぎて吐き気する



轟


昨日の件は
チャラにしてやる




心の中でそう、許しを与える



「もう一つ
爆豪、お前に話しておかなきゃいけねえ事がある」



「あ？」




まだ神奈の情報でも持ってんのか？

なら今ここで全部吐いてから去れや


「んだよ」




そして聞いたのが、間違いだった









「俺も神奈が好きだ」







「………は？」



聞き間違いか？

こいつ今、神奈の事…