第7章 敵連合
クソ髪にまで心配された
この俺が
んなに弱っちまって
情けねえ
全然授業の内容も頭ん中入んねえし
何食っても味しねえ
あいつを捜し出したいのに
何すりゃいいか纏まんねえ
「爆豪」
「っ」
食堂で一人
頭を掻きむしっていると
不意に背後から声を掛けられた
ゆっくり振り返り
相手を睨む
「……半分野郎」
んだよ
てめえは昨日の体育祭の件で
顔見るだけで腹が立つっつうのに
「…隣、良いか?」
「良いわけねえだろ、どっか行けや舐めプ野郎が」
「…悪い」
そう謝りながらも
こいつは勝手に、ひとつ開けた隣に腰を下ろす
「視界に入んなっつってんだよ!」
「神奈」
「あ"!?」
あいつの名前に
あからさまに動揺の色を見せてしまう
「…神奈と、最後に一緒に居たの
俺だ」
「ッ!!」
…は?
何…言ってんだよてめえ…
あいつは
「あいつは、ババアの手伝いに行くっつって…」
「ああ、俺も怪我してそこ行った
そんで会ったんだ」
「ッ」
一瞬勘違いをした自分が恥ずかしくなった
「午後の部が始まる直前
俺ら二人で会場まで戻る途中に
振り向いたらあいつが居なくなってた」
「……当然、探したんだよなあ?」
「………悪い」
「はあ!?んで探してねえんだよ!!てめっ…てめえがすぐに見つけてたら!
んな事にはならなかったんじゃねえか!?」
「…ああ、その通りだ」
「ならッ!!」
「けどあいつは
叫び声一つ
上げなかった」
…は?
だから何だってんだよ
それがイコール探さねえ理由になるわけねえだろ
てめえの判断力が
今回の事件招いてんじゃねえかよ!
「あいつは…
自分からついて行ったんじゃないか…?」
「……は?」
何言ってんだよてめえ
あいつが…?
んなわけねえ…
だって
「…あの日は……特別な日だった
あいつがそれを蔑ろにすんなんて……」
考えたくもねえ