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【ヒロアカ】世も縋ら

第7章 敵連合





其々が彼女の大事さを再認識させられ

そして其々が決意を固め、動き出す



歯車は






ここから回り始める








凪山神奈の誘拐事件に騒然としていたのは、教員室や彼女のクラスだけには収まらず


一部の彼女のファンや
体育祭で活躍を目撃した者たちまでも
現実を受け止められずにいた



その中でも最も
沈痛な空気を孕んだのは



爆豪のいる1年A組に
他ならなかった








「…爆豪……大丈夫か?」



そう最初に声を掛けたのは
彼の友達である切島だった


「……」



今まで見たことのない
爆豪の面持ちに
何とか元気付けたいと思わずにはいられなかった



「っ心配すんな!神奈ちゃんならぜってー無事だ!
あんな強え個性持ってっし
それに頭だって回るんだぜ?

今頃脱出する算段でも立ててるぜきっと!」


「ッ気安め言ってんじゃねえよクソが!!」

「っ!!わ、悪い…」




ああくそう

調子狂うぜ爆豪…




お前がそんな
泣きそうな顔すんなんて


なんて声かけていいか分からねえじゃねえか




「…でもなあ爆豪」



神奈ちゃんの事
そんだけ好きなんだろ…?
じゃあお前は



「お前だけは、神奈ちゃんのこと信じてやらなきゃ…

神奈ちゃんが
ぜってえ無事に帰って来るって
信じてやらなきゃよ

あの子が帰って来た時
悲しむぜ…?」




「……チッ

もっとマシな言葉掛けらんねえのかよアホが」



「!」



こんな言葉しか出てこなかった俺だけどよ

ちょっとでもお前が
前みたいに戻ってくれたんなら
凄え嬉しい


だって俺はよ

お前が神奈ちゃんと一緒にいる時に見せる顔が
一番漢らしくて尊敬すらしてんだ


「…神奈ちゃんが無事に戻ってこれるよう、俺もなんか出来ることはやるからよ」


「……悪いな」

「へ?爆豪っ今なんつった!?」

「何も言ってねえよバーカ!!」

「くぅーっ!」


爆豪に初めて感謝された!?
何だこれ!くっそ嬉しい!!


あーっくっそ

ダチの為だ!
俺はもう全力で
神奈ちゃんを捜すぜ!

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