第7章 敵連合
気付いたら私は
誰かに腕を引かれ
人ごみの中を
訳もわからず連れて行かれていた
「!……
神奈……?」
轟が気付いて振り向いた時にはもう
神奈の姿はそこにはなかった
この手
私の腕を掴むこの手を
私は知っている
何故か声も出ないのに
私は素直について行く
私を引っ張るその人の足だけを
ただ見つめて
そして気がつけば
校門を抜けようとしていた
『っ!』
正気を取り戻したようにその手を振り解こうとすると
初めて前から
声が降って来た
「……今更抵抗すんの…?」
『!!』
その声は
私がずっと
聞きたかったものだった
『………翔……?』