第7章 敵連合
こんな気持ち
芽生えるならさっさとしてくれれば良かったのに
「そうか」
きっと今は
俺は爆豪より
お前のことを好きになれてはいねえ
けどこの先
お前と接する機会が増す毎に
俺の気持ちも肥大化してくんだろうな
そんな確信があった
「なあ、神奈
もし…もしも、爆豪に傷付けられることでもあったら
また、こうやって撫でてやっても良いか?」
『……焦凍…くん…?』
弱々しい轟に首を傾げる
「敵に正面から突っ込んでったお前を
一人にはできねえだろ」
なんて、これは口実みたいなもんか
とにかくまだ
俺に希望を持たせて欲しかった
『…大丈夫だよ、焦凍くん』
「!」
ゆっくりと上体を起こしながら
こちらに近づく
『だって、爆豪は私を傷付けたりなんかしないもん』
「っ」
そういって笑った彼女の笑顔は
苦しくなるほど綺麗だった